現世と異界の狭間からこんにちは。体の半分イマジナリー、貴方の心をインソムニア。本日も一進一退、前後不覚に攻防一体で執筆を突き進んでまいりましょう。
さて、物語の登場人物の中で敵キャラや味方キャラでかっこいいキャラって居ると思います。その中でも特に容姿がカッコいいという訳でもなく行動がカッコいいってキャラは出来れば用意したい所ですね。って言うか、文字主体の小説ではどうしても外見的なカッコ良さって表現し辛いのです。外見的カッコ良さの表現もある事はありますが、乙女ゲーよろしく五人も六人も見た目が良い男たちが出てくると同じ表現の使いまわしになりがちで、カッコ良さの表現に限界を感じてしまう事もさもありなん。そこで今回は行動的なカッコ良さの表現を考えて行きましょう。
行動のカッコ良さの一端としていえる事ですが、そのキャラが何処まで覚悟が決まっているかっていう事です。まぁ小説の雑魚敵としての因縁付けてくる街のチンピラや道中襲ってくる盗賊等は、その行動原理は多少力に自信があるからそれを過信して弱そうな相手に因縁をつけていたり、自分より弱い相手に襲い掛かってみぐるみをはがそうという魂胆なわけですよ。そこに自分の命を投げうってまでという覚悟は無い訳です。なので相手が自分の実力以上の場合は直ぐに命乞いしたり逃げ出したりします。これが街の警備を任されている兵隊となると、自分より強い魔物が出てきた時に、自身が逃げ出せば街の人に被害が出てしまう為に多少の怪我は追ってでも足止めを、あるいは自分の命と引き換えにでも魔物を倒そうという覚悟が決まっています。これが覚悟の差です。
チンピラキャラでも、彼等なりのポリシーに沿った覚悟を設定する事で深みが増します。やはりチンピラ達は街と言う安定した場所があってこそ力を誇示できる訳ですので、そこを見くびられるのは沽券にかかわるわけです。なので街が災害とかでピンチに陥った時に、資材の運搬や瓦礫の撤去などに積極的に手を貸して「俺は街の鼻摘み者だけどよ、街が嫌いって訳じゃねぇ!」「おらぁ今ここで力見せ付けとかねぇと、明日から街を大手を振って歩けんねぇだろぉが!」と協力してくれたりすると評価が上がりますね。
夜盗もあくまで小悪党であり、人々の生活のおこぼれを頂く訳で正規の大犯罪を企てているわけではないのです。だから世界転覆を狙ったり大虐殺を企むような巨悪が出た場合、「俺達は悪党で人のクズだが、人を辞めたわけじゃない」「人が居なくなったらこれから誰を襲えばいいってんだ」と微力ながら協力してくれたりするかもしれません。
キャラクターの生い立ちや行動理念などの細かい設定があるとさらにカッコいい場面は作りやすいのですが、この覚悟を決めるというのは簡易な手法として割とおすすめです。ファンタジー描写における一般人は怪我などは負いたくないので戦いにおいては全く覚悟が無いと言えます。チンピラや他称の腕に覚えのある連中は喧嘩慣れしているので戦う事に怖気図いたりはしませんが、下手な怪我を負うのは避ける為相手の実力次第では逃げ出します。危険な場所に赴く冒険者などは、命の覚悟まではしていないにしても、状況によっては腕や足を失う覚悟くらいはしている事でしょう。戦闘訓練を受けた兵士や騎士は、場合によっては死ぬ覚悟も据えているので実に強い事が分かります。チンピラは一般人相手に威張り散らしますが、本格的に危害を加えると犯罪者となり捕まるのであくまでビビらせて優位に立つのが基本となります。そして多少の怪我は覚悟している冒険者にはビビらせる事が難しく、そして勝負を挑んでも旨味が無い(一般人なら脅して金品の強奪や、安く商品の提供を受けることが出来るが、冒険者相手では得られる物が乏しくまたリスクが高い)のであまり絡まないでしょう。まして訓練された兵士などは適わない(まして下手に攻撃すれば投獄されてしまう)ので姿を見たらすぐ逃げ出す事でしょう。という社会構図が見て取れます。
後は活躍させたいキャラがどのくらい覚悟を持っているかを決めて、その覚悟が試される場面を用意すればカッコいい一幕が作れるはずです。ただし主人公の場合は生い立ちや心情をしっかり設定して覚悟を決めましょう。適当に覚悟を設定してもいやその主人公の信条でその覚悟の決まり方はおかしいって感じになります。日本育ちの一般人が、異世界に行って命のやり取りをやられる前にやるという覚悟を持つのはさすがにサイコパス過ぎて無理があります。主人公にはやはり、エピソードを通して覚悟が決まる瞬間を場面に魅せた方が面白くなるでしょう。
皆さんもキャラクター張りの覚悟を持って執筆に挑んでいきましょう。
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