世界観の基本もひと段落付いた事ですし、まったりと雑談でもしていきましょうか。
そういえば、よく漫画などに出てくる冒険者ってけっこう軽装じゃないですか。特に女性なんかは見栄えなどを重視してほとんど水着みたいな格好のもちらほらと。
軽装なのは冒険者のイメージ元が冒険家とかレンジャーとかを意識しているからかもしれませんが。では軽装と言うのは実際どうなのか? という疑問が湧いてきます。
確かに騎士の様に全身を甲冑に覆うのはやりすぎですね。移動しにくいですし、細かい作業もしにくい。鎧甲冑と言うのは正面切って戦う際に有効な装備であって、日常的に着込む物ではありません。
まぁ部分的に手甲や胸甲を纏ったり革製の鎧なんかは軽量で使いやすいかもしれません。少なくとも人間が扱う程度の武器の威力(銃や爆弾などの近代兵器を除く)ならば、致命傷を避けてくれます。あと中世ファンタジーだと良くマントを羽織っているんですが、なんでマントを羽織っているか知っていますか? まず一番は寒い時の防寒着に使える。次に負傷者が出た時に木の枝と合わせて簡易のタンカに使える。他にも破いて包帯にしたり、焚火にかぶせて緊急の火消しに出来たり、風呂敷のようにモノを包むなど利用方法は様々ですが、意外に知られていない用途として、馬などに乗っている時、マントが風になびいて、それで後ろから撃たれた矢を防いでくれるんです。だから冒険者がマントを羽織るのは結構合理的な装備と言えますね。
さて、現実世界の冒険者ならば軽装でも問題ないとは思うんですが、異世界ならば事情が違ってきます。魔物がうろついている世界で、果たして軽装でも生き抜いていけるのでしょうか?
■スライム
さて、某有名RPG(あと転生物か)のおかげて一躍有名モンスターに躍り出たスライム。因みに昔は結構マイナーな存在でその上なかなか強力なモンスターだったわけですが。
まず物理攻撃が効かず、炎か魔法攻撃でないと倒せず、そして触れたモノを腐食させたり同化させたりとだいぶ厄介な能力を持っていたりするのですが、近年では物理攻撃で倒せる雑魚モンスターと言う認識が強いですね。
さて、雑魚のスライムの脅威はどうでしょうか? 攻撃手段は飛び跳ねて体当たりしてくるくらいでしょうか? スライムのサイズが結構作品によってまちまちですが、だいたいちょっとしたビーズクッションくらいですかね。ゲル化した物体は水分が固められたものなので多分同じくらいの体積の水くらいの重量はあるかと。それでバケツ一杯に水を入れてそれを振り回して通行人にぶち当てたらどうなるでしょうか? まぁ普通に相手を負傷させますね。そんな質量が意思を持って襲ってくるとなったらそりゃもう危険極まりないですね。おまけに打撃なので鎧を着ていても衝撃が体にダメージを与えてきます。むしろ鎧を着こむよりも軽装で逃げ回った方が良いでしょう。一撃くらいなら吹っ飛ばされますがあばらの二、三本で何とか済むでしょう、囲まれたら諦めるほかありません。
■ゴーレム
続いて、結構神話から登場している格式高いモンスター、と言うよりは魔術などで作り出すロボットに近い存在であるゴーレムです。材質は様々で、基本的に遺跡やら墓やらの番人として配置されています。形状や材質は作り手によって様々ですが、基本的には手に入りやすい泥や石などで人型に作られることが多い印象にあります。その攻撃方法は踏みつけてきたり拳で殴ってきたりと言った肉弾戦ですね。えっと、上からコンクリートブロックの山が落ちてきたら人はどうなりますか? 死にますね。
これもむしろ軽装で逃げ回るのが最善と言えます。もし腰位のサイズの小さいゴーレムだとしても石の塊である事は間違いないので殴られたら骨が折れるし圧し掛かられたら身動きが取れなくなります。見上げるような体格の場合は体格差から言っても勝てません、逃げるべきです。
■サラマンダー
火から生まれ出てくる精霊とされるモンスター。炎を無効化するので火の中でも生きていけるという生態を持っております。実はこいつ別に火を吐くとかいう能力がある訳では無く、単に皮に火耐性(強)が付与されるといった程度。溶岩の中に逃げ込まれたら手出し出来ませんが、捕まえたなら皮を剥いで手袋とかにでも加工してやりましょう。その身は有毒との事なので食べる事はお勧めしません。きっと火の通りも悪いでしょうし。
■シルフィード
見えない精霊。多分攻撃方法は真空の刃を作り出す攻撃の様な気がします。
真空の刃の切れ味は圧力次第ですので、空気を司る精霊ならば鉄をも切断する高圧力を発揮してもおかしくはありません。そもそも見えない相手に、見えない攻撃、しかも盾や鎧を貫通してくる脅威が飛んでくるとか無理ゲー過ぎる。もし標的にされた場合、攻撃されている事に気づく間もなくパーティーは全滅しますね。
■ゾンビ
映画とかで出てくる歩く死体ですね。まぁ今回はファンタジー世界ですので感染とか進化とかは抜きにして、魔法的な霊魂のアレがこうして本能で襲い掛かってくるだけのモンスターって感じですね。
素体となった死体によって脅威も変わりますが、大体元になった生物の死体である以上大幅に弱体化した魔物って感じですね。人間の死体の例で言うなら、機敏に動かずゆっくりと歩いてくるだけ。夥しい数に囲まれたら流石に脅威ですが、1、2匹程度なら手持ちの武器でサクッと殺せそうです。そういえば何故か動物型のゾンビだけどいつも機敏に動くんですよね、なんで?
巨人級のサイズだとすでに死んでいる以上耐久力も高くてだいぶ厄介ですが、別に倒さなくても良いのなら動きが遅いので無視しやすいですね。逆に小型で大量に現れると厄介以上の脅威となります。例えば無数のネズミ型のゾンビとかは手に負えないですし、下手したら都市が滅びますね。
■ウィスプ
鬼火の様な空中を漂う火の玉のモンスター。一説には死んだ人間の魂と言う話もあります。
夜の墓場や沼地などに現れて、その火に近づこうとした者を道に迷わせたり沼に落としたりしてくるんだとか。基本的に攻撃したりはしてこないがどうにかしてこちらを殺して仲間に引き込もうという悪意は持っているという厄介な存在。無視を決め込んでも良いが、他の魔物を呼び寄せる事もありうるので出来れば見つからないように動きたい。
いくつかの魔物を例にしてみましたが、あまり重武装は役に立たなさそうですね。
と言うか、基本的には逃げるかやり過ごすのが最善な魔物がほとんどと言う感じです。もし皆さんが冒険者になるのでしたら、重厚な鎧を身につけるのではなく、各魔物にどのように対処すればいいかと言った知識を是非とも身にまとってもらいたい物です。
それでは、また。
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