小説雑談 異世界の常識って事2

さて本日も異世界の常識について学んでいきましょう。

 前回魔法についてちょっと触れたと思います。魔法について解説するのはまだ早いと思いますので今回は異世界物で割と最近よく見られるスキルについて考えていきたいと思います。

 スキルとは[能力・技能]の事を指します。元々はゲーム用語としてよく使われた経歴があり、TRPGのキャラクター設定などで多用されていました。そこから通常のRPG等にも使われ始め、MMORPG等に使われることで世間一般に広がったと思われます。そういう広がりからゲームの世界に転生する異世界転生物で使用され、普通の異世界転生にも使われるようになったと考えられます。

 まぁつまり、日常生活における[走るのが早い][水泳][自動車の運転ができる]等の練習して取得できる技能や[味覚][音感][演技力]等の先天的に持っている才能等をゲーム上のボーナスとして扱ったのがスキルとなるわけです。よってゲーム上の演出でもない異世界物にスキルの概念を取り込むのは正直言ってナンセンスなのですが、まぁどうしても使いたいというのであれば止めません。しかし魔法とスキルを両方とも採用してしまうと世界観設定がだいぶバランス崩壊しますので、魔法はスキルの一部とするか、スキルは魔法の一形態の様なひとくくりにする方が扱い易くて楽です。

 スキルの楽な使い方としては、異能力バトルの様に元締めがスキルを統括しそれを参加者及び候補者に割り当て管理するといった体制を作ると良いでしょう。よく神が恩恵によって須らくーと言った設定にしがちですが、神なんてよくわからない存在を設定するよりは、王族や教会などを元締めにした方が良いでしょう。そうすれば王族に市民が従う理由になり、教会などがうやまれるようになります。

 とりあえずランダムでスキルが生まれるなどの放置設定は、色々と取り返しのつかないバランス崩壊を引き起こすので止めておきましょう。別段平凡な日常や農耕に勤しむだけならば、スキル設定等せず、努力と修練で取得する現実に沿った世界観にした方が調合性が取れて楽です。

 まぁ中には何も考えずに、訓練で取得できる技術と、ゲーム設定のスキルを同居させるという訳の分からん事をする人が居ますが、色々と混乱するので止めましょう。

 まずゲーム性スキルを入れるのならば努力による技量の取得は出来ないようにしなければなりません。あるいは努力によって取得できるスキルシステムを組み込む必要がありますが、ほぼゲーム設定になりますので物語性を失ってしまいがちです。そしてゲーム性スキルを導入するのであればスキルの設定をしっかりと練る必要があります。神様から一つスキルを授かる――この程度では全く足りません。特に[剣聖]とか[賢者]とか[勇者]とか複数の効果が内包されたり適用効果の多すぎるパッシブスキルなどの強すぎるスキルを何の設定も考えずポーンと付与しがちですが、大抵扱い切れずに死に設定になりがちです。その世界で一般的なスキルは何か。どの様なスキルが有用でどの様なスキルが不要とされるのか。スキルは一人一つまでなのか、入手方法は。スキルは変化するのか、あるいは消失するのか。誰もしくはどの様な存在がスキルを管理して居るのか等の細かい世界のルールを決めなければ、前回開設したような常識と成り得ないのです。

 何故管理者が居ないといけないのかと言うと、そもそもゲーム性のスキルと言うのは管理される前提の設定だからです。そもそも努力による取得では無く天からの恩恵と言う訳の分からん取得条件で、力を手に入れられる世界観では、どう転んでも人間性が歪みます。人種差別も生ぬるいような地獄の様な人生ガチャ差別主義世界が広がる事でしょう。それらを抑制しなければ、核戦争後の荒野もかくやと言わんばかりの世紀末が訪れます。取得できるスキルに制限やリスクや使用コストなどを付与しなければ、例えば[見た者を即死させる]スキル持ちとか[手から弾道核ミサイルを発射する]能力等が生れた場合その時点でこの世界は終わりです。んなスキル作んねぇよと言われるでしょうが、それは作者がその世界に出すスキルを一覧ですべて管理して初めていえるセリフです。ランダムで何でも生まれるという設定ならば場合によってはそのようなスキルが生れるという危険性も考慮しなければなりません。そうなるとスキル狩りや未登録の異能持ちなどの抜け道探しや暗殺が横行する事でしょう。そういった不穏な世界にしたくないのならば、おとなしくスキルの管理者をその世界に据える事をお勧めします。

 まぁそもそも、努力すれば大抵のスキルがSPも神に頼るまでも無く取得できる現実世界の方が、よほどチートスキルにまみれた混沌とした世界なのかもしれません。

 皆さんも努力と修行で頑張って[剣聖]や[賢者]と呼ばれるような技能を身につけて執筆に励んでください。

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