現世と異界の狭間からこんにちは。本日も執筆に関するあれやこれやを考えていきましょう。
よく初心者のキャラクター像を見ていると思う事なのですが、やたらと気取って居たり、格好をつけている、あるいはやれやれといやる気無さ気に苦も無く事を成すという物が多いようです。所謂一時期人気を博した格好いい主人公像という物なんでしょうが、如何せん中身が伴わずガワだけを模倣した物真似にしかなって居ない印象です。外側だけ着飾ったとしても主人公の中身が伴っていないとそれは魅力にはなりません。っというか、実はカッコいい主人公と言うのは結構描くのが難しい部類と言えます。例えばざっくりとしたカッコいいイメージとしては、寡黙・最強・勇敢・優しい・賢い・どんな事件も解決すると言った要素が上がると思います。しかしこれらは物語を作る上では結構障害となります。
□寡黙
主人公があまり喋らないと会話が続かなくて、物語進行に支障がきたします。寡黙なキャラは主人公の同行者などの、舞台回しを必要としない役割のキャラが担った方がストーリーは描きやすくなります。また逆にお喋りなキャラと言うのも、余計なセリフが多くなってしまい不向きです。主人公はあくまで聞き上手で喋るとしても社交的な程度に収めるのがポイントです。
□最強
「誰にも負けない僕の考えた最強の主人公」は最初の方こそ楽しく書けるでしょうが、すぐに筆が止まってしまいます。最強と言う存在は存外書く事が無いのです。敵もそのうち余りの強さに勝負を挑んでこなくなりますし、何より主人公が自分より弱い相手を蹴散らした所で面白さは生まれません。最強無敵の主人公を生かすのであれば、それ相応の複雑なギミックを必要とします。例えば封印を施して最強なのは特定の状況かとか、あるいは代償を払う事で最強状態に移行するなどの変身を用いるギミックですね。こうすれば弱い通常状態と最強状態を描く事でシンデレラ効果も狙えます。他には主人公が最強という事をひたすらに伏せるという物ですね。殺し屋系(必殺仕事人とか)とか犯罪系に割とある手法ですが、強すぎるが故に生きて帰った物がおらず情報が知られていないというパターンですね。これはむしろ名が知られてしまっては日常世界つに支障をきたす、あるいは獲物が寄ってこなくなるので通常時は猫をかぶって居るという秘匿タイプのギミックになります。こちらも本性を現した際のギャップがカタルシスを生みます。水戸黄門なんかもこの感じですね。
□勇敢
勿論主人公が勇敢である方が良いのは確かですが、特に何の裏付けも無くただただ勇気だけが先行してしおまうのは無謀でしかありません。無数の敵陣に何の策も無く単身特攻していくのは、主人公でなかったのならば熱い展開ですが、硝酸も無く無謀に突っ込むのは主人公がやっていいムーブとは言えません。あまつさえ、それで偶然にも何とかなってしまったら逆に大ヒンシュクです。主人公に読者は感情移入しやすいので、一片的に逃げるしかないような状況やどうあがいても負けが確定したような場面で惨めに足掻くのは読者受けが良くありません。主人公には冷静に状況を見極めて引くべき時にこそ勇気ある撤退を選択できるような、思慮深さも必要でしょう。あるいは常に安全策を考える臆病者こそ、結構主人公像としては強く映ったりもします。
□優しい
そもそも登場キャラクターは大体優しいのであえて主人公だけ特筆して優しい必要はありません。
□賢い
主人公が何でもかんでも知ってしまっていると、読者と主人公の知識量に差が出てしまい読者がついて行けなくなります。だからと言って初めに主人公が持っている知識を全て羅列してもつまらなくなります。あくまで発想とか窮地の際に活路を見出す方向での賢さは高くていいと思いますが。そもそも賢さの演出は基本的に熟考になってしまいがちで、物語の場面が動かなくなってしまいがちです。賢さよりも閃きで窮地を脱出した方が、並行思考の様に一段飛ばしで解決への道を描きやすくなります。
□どんな事件でも解決できる
上記の賢さに通じる所ではありますが、主人公一人で何でも出来てしまうと仲間キャラの登場する意味が無くなってしまいます。主人公が事件を解決するにしても、置かれた状況や用意された人材、仲間キャラの技能を十分に活用して初めて達成できた方が、物語の完成度としても高くなります。あまり主人公が万能sギルのも考え物ですし仲間の出番を食ってしまいがちですので主人公が出来る事と言うのはほどほどにしておくべきでしょう。
では主人公は弱くて臆病で、カッコ良くなくてもいいのかってこと何ですが、次回はこの等身大主人公について解説できたらばと。
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