[未来小説] テンプレートと王道と読者の期待誘導のエクスペクテッドヴァリュー 2

 さて異世界と現実の狭間からこんにちわ。今日も日常生活では役に立たないけど、執筆活動では割と役に立つ考察やっていくよー。

 前回はテンプレートは悪いのかを話したと思います。結論としてはどんどん使っていいけど依存は良くないって感じでしたね。結局テンプレートや王道と言うのは、楽で便利で読者受けも悪くないけど結局は他所から持ってきた要素なんですね。そればかりで構成すると作品の自分らしさを損なう事になります。そうなると、自分御作品としての愛情が湧きにくくなってきます。読者からも○○のパクリとかどっかで見たなとか批評されますし。どうか作品を作る時は何か一つはオリジナルな要素をぶち込むことをお勧めしまう。既存作品から何か一つ変更するだけでも個性は生まれるのです。

 例えば、既存の作品では魔法を使う場合にMPあるいは精神力を消費します。そこで新しく[この世界では魔法を使用する場合、お金を消費する]という設定で作るとします。こうするとお金を持っている=強いという構図が成り立ち、税金としてお金を集められる国家と、それに属する貴族は強力な魔法が行使出来て強いという盤石な政治が敷けます。対立するのは商人と犯罪者ですね。基本的には貴族が資金の流れを監視したり管理するはずです。しかし経済は流動しないと稼げないので行商や商人等は容認しないと儲けを出すことが出来ません。そして法律を敷くと必ずその裏側を突いたり法律を無視して利益を出す犯罪者が現れます。例えば貴族が食料品の供給を完全に掌握して、税をかけて食べ物の価格を釣り上げるとします。その時に、食品の流通の途中でそれらを盗み、安い価格で市民に売りさばく犯罪者が出てくるわけです。市民にとっては救世主ですが国家にとっては犯罪者ですね。

 この世界では、魔法を使う才能の他にお金を稼ぐ能力も重要となります。あるいは資金提供をしてくれるパトロンの確保とかですね。また魔法に比べて投資費用の少ない一般兵と、お金の消耗の激しい魔法使いで運用の差別化も出来ます。特に魔法使い同士はお金の使い合いという事で、あえて魔法勝負を挑むことで経済的消耗を指せる、もしくは経済的な攻撃を加えて魔法を使えなくさせるなどの戦術が生れます。と他所のファンタジーとは違った面白さを持つ物語が描けそうですね。

 っと前回の復習がだいぶ長く続いてしまいましたが今回は、[読者の期待誘導]を説明したいと思います。なかなか高難易度テクニックか! っと思われがちですがやる事自体は結構単純です。

 小説にはジャンルと言う枠組みがあると思います。恋愛とか部活物とかスポーツとか推理物とか、所謂異世界転生物も一つのジャンルで確立されてますね。そういった作品にはそれぞれ、ある程度のパターンがあります。そう、前回説明したテンプレートや王道な展開と言う奴ですね。まぁ前回開設した通り、これらの過去に人気を博した展開って言うのは、ある程度読者も望んでいるわけです。そういった読者の希望に答えると言うのも、多少は物語を作る上で理解していく必要があります。しかしテンプレートに依存するとオリジナリティが欠如するという事も前回言いました。他所から丸々持って来てしまってはそれは模倣や二番煎じに過ぎないのです。ある程度読者の期待通り既存作品に寄せつつ、適当な所でその読みを外す工夫が必要となります。あるいはオリジナルの要素を入れて再構築するという手間ですね。

 上記で提示した[この世界では魔法を使用する場合、お金を消費する]という設定で説明すると、例えばドラゴンはファンタジーでは強大な存在として描かれていますね。しかしこの世界観上だと大量の財宝を持っているから強いという設定になります。そして経済活動をしているわけでは無いので財宝を盗まれると弱体化するという設定にすることが出来るわけです。あるいは、経済にがっつり関与して物凄く賢い経営アドバイザー的な眼鏡をかけているドラゴンと言う存在も在りかもしれません。強力な敵を倒す為には仲間を集める事が必要ですが、クラウドファンディングなどで資金を募って倒すという[協賛魔法使い]の様な存在も出てきます。またこの世界では、節制や質素倹約を主とする宗教は発展し辛いでしょう。拝金主義系の宗教か、あるいは経済やお金を神聖視し無暗な散財を抑止する箪笥貯金教とか、もしくは運で全てを手に入れるギャンブル至上主義組織なんかも出てきそうですね。この様にオリジナル要素一つで既存作品の構成は大きく変動します。

 こういった再構成作業を怠り、テンプレートにオリジナル要素はただ足しただけで物語を書き始めてしまうと、大体はオリジナル要素を生かせず死に設定となってしまいます。まずはオリジナル要素を足した結果、世界や社会の仕組みがどう変化するかとしっかりと吟味して合わせ作業を入念に行いましょう。そして世界に影響を与えない程度のオリジナル要素では、既存のテンプレートをなぞるだけになってしまいます。オリジナル要素は是非とも大胆に、根本部分をいじって世界を作り替えていきましょう。

 皆さんも、お金を使って魔法を発動しつつ執筆に精を出しましょう。

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