[未来小説] テンプレートと王道と読者の期待誘導のエクスペクテッドヴァリュー 4

 異世界と現実の狭間からこんにちは。

 今回も期待誘導語っていきましょう。さて、今回はどうして読者の期待に沿った作りを推奨して居るのかと言う、そもそもな話から。

 大体、物事を始める際にあまりフラットな状態で始められる事は稀です。特に小説を読むと言うのはだいぶ想像力を行使するので、先入観や偏見などが入りやすくなります。もし読んでいる話が想像と違っていたら、多少は頭の中で軌道修正される物ですが、多少はノイズとして残ってしまいます。そういった事続くと、思った話と違ったというマイナス評価につながってしまいます。しかし読者の期待に100パーセント応える内容造りなんてそうそうできる物でもありません。そこでジャンルなどを設定したり、既存作品のお約束を踏襲する事で、読者の先入観を誘導するのです。予め読者がその作品のジャンルを読みたがっている状態であれば、だいぶ好意的に読み進めてくれるはずです。まぁなろう特有の異世界ファンタジーが好まれているのは、こういった踏襲している側面が強く、読み進めやすいというアドバンテージがあるからですね。

 勿論、前にも言いましたが既定のお約束だけで物語を固めるような事をしても、それはただのコピー品でありオリジナリティの無いつまらない作品となってしまいます。必ず自身で考えた要素や、読者の期待を裏切る様な違う展開を隠し味に入れましょう。

 読者の期待を満たすには、既定の路線を踏襲し、読者に先の展開を予想させて読み進めやすくさせます。こうする事で読者の脳の負担も減らすことが出来るし、物語の構成も楽することが出来ます。

 逆に既定路線を踏襲しない、全く新しい話の展開をするのであれば、よほど導入を面白くしたり物語に没入感を持たせない限り読者が展開について行けなくなり読み進めづらくなってしまいます。まぁ読者に読み進めさせるための技術は他にもいろいろとあるのですが、それはまた別の機会に。

 今回は読者の期待に沿った話造りにどういうメリットがあるかについてでした。何処までオリジナルで作るのか、何処まで既存の作品に寄せるのか、そのバランスが作品作りにおいて重要になってきますので是非とも色々と考えてみてください。

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