[未来小説]物語作成講座編1 「プロット」

 さて、そろそろ面白い物語を作る為の技術とか興味ありませんか?

 このサイトを見ているという事は、小説家を志して物語を書こうとしている人、あるいは物語を書く事に興味があるという事でしょう。

 ならば、[プロット]という物を今回ご紹介しましょう。

[プロット]とは、ストーリーの要約の様な物です。

 物語の重要な出来事の原因と結果を因果関係でまとめたモノであり、ストーリーの設計図となります。場合によってはプロットとストーリーを別々に作成するという事も必要でしょう。

 なぜこのような物が、物語づくりにおいて重要かと言うと。この[プロット]を用いれば作ろうとしている物語が、ストーリー展開に無理が無いか、全体的にまとまりがあるか、そして読んでいて面白いかが事前に分かるという優れモノだからです。

 例えば、物語の展開が途中で止まってしまって上手く続かなくなってしまったという事があると思います。これも[プロット]を用いて展開の構造を把握すれば、何処かで作者のやりたい内容に無理やり導いていて物語の展開に無理が生じている、あるいは行き当たりばったりの展開で次の目的が明確になっていない等の原因が浮き彫りになります。

 全体にまとまりが無い場合も[プロット]を利用すれば、大筋の展開に必要ではない場面を見つけたり、本筋の無い様に一切かかわりのない無駄なキャラクターを抜き出す事が可能となります。

 あるいはなんとなく面白くないけど、何処が面白くなさげなのかいまいちよく分からないと言った時も、[プロット]で構想を抜き出してみれば一目瞭然です。なんとなく面白くないというのは、大体において作者の書きたい、見せたいと思う面白所と、物語の本筋が一致していないという時に起こりがちです。例えば無数の魔法が飛び交う魔法の攻防戦を、オリジナルの呪文を交えて描きたいのに、主人公の目的が無く悠々自適に暮らしたいだけだとかだと、肝心のやりたい魔法戦が物語の目的に合致していません。スキルと使った躍動感あふれるバトルが描きたいのに、肝心の主人公の職業が戦闘職では無くバトルが蛇足になってしまうとかもそうですね。

 まぁそもそもプロット以前に、物語で展開したいストーリーと作者が作品で描きたい面白所は合致させておくべきです。

 一応、主人公の目的と話のストーリーをあえて合致させずにその違和感や相違を面白さに転換するという手法もあるにはあります。[ドラ〇もん]等がいい例ですね。主人公の目的は楽して面白おかしく暮らしたいという、全人類共通のしかし決して推奨するべきではない自堕落な思考を持っています。そこに、ドラ〇もんは毎回秘密道具で問題を解決したり、欲望をブーストさせます。しかしこの物語の肝は、単純に主人公の欲望を道具で解決させてハイ終わりとしていないところです。毎回道具を使う問題解決にも問題が生じたり、欲望をブーストした挙句の末路が用意されています。つまり、便利な道具も使い方を誤ると痛い目を見るとか、道具を使って別の苦労があるとか、そういった教訓のある落ちを用意する事で、寓話的な面白さを導入しているのです。これは綿密にプロットを練らなければできない芸当です。

 さて、今回はプロットを推奨しただけで終わってしまいましたが、次回は使い方などに言及していきたいと思います。それでは。

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