■敗北・コンプレックス
さて、今回は敗北とコンプレックスについて説明します。
よく物語製作、特にキャラクター設定において敗北を経験していない、させないという事がまま見受けられます。しかしこれはよろしくない事です。
敗北は成長の為の経験値。強くなる為には多くの敗北と失敗を経験していくのです。また、作中でも敗北や挫折を味わった事でキャラクターに深みを与える事も出来ます。そしてその敗北からコンプレックスをこじらせてその後の展開に影響を与えるなどすれば、物語としても重要な起点となります。
その上で、敗北した相手と再戦し、コンプレックスやトラウマを乗り越えるなどの描写に繋げる事で感動の名シーンが生み出せるわけです。
キャラクター性でも敗北を知らない無敗の超人より、敗北続きの負け犬人生でも諦めず勝利を目指すキャラの方が人気が高い傾向にあります。やはり負けるという行為には多くの人が共感を得るのでしょう。それに負ける事で、そのキャラクターを応援したいという気持ちも沸いてきて、感情移入がスムーズになります。
勿論作中でどうしても勝たなければいけないような場面で負けるのは都合が悪いので、その前哨戦とか、あるいは負けても敗者復活戦があったり、最後のワンチャンスが残されている場面で、敗北は多く使われます。そもそも試合の勝敗が主人公の目的とは違う場合もあります。その場合戦いや試合の勝敗は正直二の次です。むしろ主人公の目的次第では負ける事の方が優位な場合もあります。戦いに勝つ事が必ずしも主人公や物語の目的とイコールではないという事を覚えておいてください。
特に戦争などの、明確に勝利する事が難しい事柄など、時に勝つのではなく負けない戦い、交渉などで折り合いをつける、あえて負ける事で他の勢力との交渉を有利に進めるなどの絡めても必要になってくるでしょう。
是非とも皆さんには、勝ち負けにこだわるのではなく、主人公の目的や物語の展開に応じて時には主人公に負けさせる選択も出来るようになってもらえると嬉しい限りです。
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