[未来小説]物語作成講座編4 「プロット(続々使い方)」

 前回とその前から引き続いて、プロットについて紹介していきます。そして今回はシーンごとに因果関係を結ぶ方法について解説していきます。

 さてまずは、因果関係とは何ぞやと言うことから。

 因果関係とは、ある出来事Aに対して別の出来事Bを直接引き起こす関係性の事を指します。因みに、出来事Aと出来事Bが同じ時に起こる場合は相関関係と呼びます。

 因果関係においては、出来事Aと出来事Bが互いに原因と結果である必要があります。例えば、種をまく(出来事A)と種から芽が出る(出来事B)は因果関係にあります。種を蒔かなければ芽は出ないのは当然ですし、芽が出た後に種は蒔きませんので、種を蒔く(A)が原因で、芽が出る(B)が結果であるといえます。

 他の例として。

  魔王が世界の半分をくれるので手を組もうと申し出てきた(A)→はいと答えると、わっはっは、ならばお前には闇の世界を与えよう旅はここまでだゆっくり休むがよい(B)。Aでは魔王に手を組まないかと勧誘され、報酬が提示されます。Bではその提案に乗り、呪いをかけられて終了するという結末が待っています。

 重要なのはAの出来事とBの出来事に、原因と結果の関係が成立する事にあります。Aが起きたからBの出来事が起こる。そしてAの出来事が起こらないとBの出来事は起きる事がないという不可逆な関係である事が大事です。

 竜を倒した(出来事A)と、強い武器を手に入れた(出来事B)では、因果関係とは言い切れません。竜を倒して強い武器を手に入れる事も、強い武器を手に入れて竜を倒した事にも出来るので原因と結果になっていません。これでは相関関係です。

 これが唯一竜を倒せる伝説の武器を手に入れた→竜を倒した。や、竜を倒した→竜が守る伝説の武器を手に入れたというように不可逆な流れを作る必要があります。そこから、出来事Aが起きる事で出来事Bが生じ、出来事Bによって出来事Cが発生するというように、展開を繋げて行くのが基本となります。そのまま[わらしべ長者]の如く、結末の主人公の目標達成まで因果関係を繋げて行く事で、破綻と無理な展開の無い物語が生れます。

 ちなみにわらしべ長者というお話は、藁一本を持って旅に出て、それらを交換していくことで最終的に大金持ちになるという、掻い摘んで話すとだいぶご都合主義の様な展開の話です。しかしそれぞれの交換をしっかりと因果関係で繋いで行く事で、無理のないストーリー展開になっていくのです。

  皆さんも因果関係を駆使して、無理のない物語展開を目指しましょう。

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