現世と異界の狭間からこんにちは。本日も小説についてあれやこれや語っていこうと思います。
今回はゲーム用語の[レベルデザイン]を小説に応用するという話をしていこうと思います。まずレベルデザインとは、ゲーム等において難易度やプレイヤーの興味を惹いてゲーム進行を促す事に対する調整を指します。例えば最初の村から出発して、直線距離上に魔王の城があって、その道中でキャラクターのレベルを上げて魔王を倒してもらうとしましょう。まぁこんなストーリーもくそも無い状況ではプレイヤーはすぐにレベル上げに飽きてしまいますね。その為にはレベルアップを楽しめるように、レベルアップの報酬を用意する必要があります。ステータスが上がったり新しい技を覚えたり、魔法を覚えたり、そして強くなったキャラクターを試せるように手頃なボスを配置する必要もあるでしょう。しかしそれだけではまだプレイヤーは動いてくれません、そもそもボスを倒す理由やモチベーションを予め投与しておく必要があります。
まぁRPGは基本的にこの様に考えられて構築されておりますが、そもそも近年の異世界物はゲームの世界の設定をモチーフに作られている事が多いので、上記のレベルデザインを当てはめる事も出来ます。主人公への目的意識の付与、レベルアップによる報酬などもそうですが、海上封鎖や土砂崩れによる道路封鎖で行く手を遮るなどの行為もレベルデザインに含まれます。目的を達成する為の工程やそこに立ち塞がる障害、それらを上手く読者の興味の向く無い様にしたり、あるいは何かしらの感情を持って取り組めるように設計するのが、レベルデザインに繋がるわけです。
その為にも背景や経緯などを設定し、展開に深みを持たせる必要があります。読者にも前向きに読み進めてもらいたいですからね。些細な展開でも読者が楽しめるように工夫するのが良いでしょう。ただ依頼を受けたクエストだからとこなすよりも、その中で起こるアクシデントやハプニングを意識して用意する事で、飽きないストーリー展開を見せることが出来ます。あるいはせっかくレベル制度を導入したのならば実際のゲームのように、この先はレベル二十以上の物しか通る事は許可できないとか、王への謁見はレベル三十未満はお断りだとか、物語の進行もレベルに絡める事でレベルを持つ意味が増していきます。直接レベルを参照する以外にも、通行証や貴族の許可証、冒険者ランク、入場料、時間や時期、魔物を倒した実績、勲章やバッチ等々様々な参照対象があります。ただしあまりにも多くの対象を採用すると、次に進むべき場所に必要な物がどれなのか分からなくなったりするので、なるべく少数でレベルデザインを構築すると良いでしょう。
皆さんも、この未来小説を履修して次回に備えましょう。
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