神(読者)は言った、世(作品)に光(笑い)有れと

 現世と異界の狭間からこんにちは。体の半分イマジナリー、貴方の心をインソムニア。本日も小説の考察についてとろとろと煮込んでいきましょうか。

 さて皆さんは小説に笑いを取り入れておりますか? やはり読んだ人には笑顔になって貰いたい物ですよね。しかし初心者の方には上手く笑いを作ることが出来ず、出オチであったり滑ったりとギャグ描写って難しい! っと思う方も多いかもしれません。安心してください、ギャグ描写は一見すると難しく感じるかもしれませんが実はクソ難しいです。

 そもそも万人が大爆笑する様な技術があれば、何処かのお笑い芸人が世界を牛耳っています。何故笑わせるのは難しいのかと言うと、ギャグを成立させるためには相手、読者を考えなければならないからです。授業中に突然ギャグを言っても静まり返るだけですよね。逆に宴会だったり仲間内で冗談を言い合っている場だったら大抵のギャグを言っても笑ってもらえますよね。ギャグにはそれが刺さる場と言うのがある訳です。場の空気を無視して葬式でギャグを言い放っても反感を買ってしまいます。読者を笑わせたいのであれば、読者がどういう状態で居るのかを把握するか、読者をギャグで笑ってもらえるような状況に誘導する必要があります。読者の状況を把握するとかそんな難しい事わかんないよ! と匙を投げてしまいそうな人に朗報です、そこまでしなくても、ギャグを放り込んでも良い場面と言うのが存在するんですよ。

 例えば戦闘が始まる前とか、シリアスな展開が終わった後とか、場面と場面の間の気が緩む瞬間が必ずあると思います。特にイベントの無い移動中とか、状況を説明する会話パート等もそうですね。そういった場面では軽口やコーヒーブレイク代わりにギャグ描写を挟むと良いアクセントになります。シリアスなパートでギャグを入れて物語の空気を壊さずに展開できる猛者も居ますが、それはある種の天才の成せる業ですので今回は置いておきましょう。

 作中にギャグ設定を入れようと意気込むのであれば、世界観設定やキャラ設定の段階から仕込む必要があります。シリアスなストーリー展開をガチガチに決め込んだ後ではギャグの入る余地はありませんし、無理やり入れても浮いてしまいます。キャラクターに面白い事言わせればいいんだろ? というスタンスでは読者を笑わせる事は難しいでしょう。ギャグを入れるからにはギャグを容認する様な緩い設定や雰囲気が必要です。まぁ難しい事は後々に説明するとして、今回は簡単なギャグのパターン作りの方法から。

 皆さんは日朝5人戦隊物はご存じでしょうか? 物語を進行させる上で登場人物の設定に困ったらこの五人戦隊を参考にしろという事は聞いた事がありますか? 主人公やヒロイン、ライバルキャラが出来てさて他にキャラが必要だけどどんな人物が? っていう時に、今いるキャラクターをカラーイメージを付けてみて、足りない色のキャラ設定を足す事でバランスが取れるわけです。例えばヒロインがピンク、主人公がレッド、ライバルがブルーとします。この場合五人戦隊とする為に足りない色は、[ホワイト、グリーン、ブラック、イエロー、パープル]あたりでしょうか。熱血漢のレッドとクールなブルーが居るのであれば、大人びて穏やかなグリーンか、お調子者でムードメイカーのイエロー何かがおすすめですね。

 さてギャグを作りたいのであれば、キャラ設定で五人戦隊の敵幹部を参考にするとよいでしょう。何故敵かと言うと、五人戦隊では人数が多い上に仲が良すぎるんですね。目的達成と協調性を重視する上では良いのですが、ギャグ描写の基本は不仲や罵倒、不平不満等がトリガーとなるのでむしろ互いにギスギスしていた方が面白く描けるわけですね。戦隊ものの敵幹部と言えば、大体3-4人で、脳筋あるいは武士系が一人、紅一点が一人、子供あるいはふくよかか非人間系が一人という構成ですね。脳筋武士は力押しとか強さを求める拘りがあり、紅一点は知略とか美しさとか作戦の質を求める拘りが、そして最後は自分の趣味に走る傾向にあったりします。そして全員決まって仲が悪い。まぁ幹部全員が協力して一気に主人公達を倒しに行ったら話になりませんからね。でもこいつらとは共闘出来ないという拘りがしっかりあるのは大事な事です。価値観の違いから相手の行動や考え方に不満を持ち、そこから言い争いになる。まぁよく見かける光景ですがそれがギャグの基本となります。一緒に行動はしているけれども、あいつの○○がどうしても気に入らない。あるいは自分が目立つためにもこいつらにはいい捨て駒になって貰おう、もしくは足を引っ張って蹴落としてやろうという、仲間とは到底思えない感情を持っているくらいが面白さに繋がります。まぁ要するに敵同士で組むという事ですね。まぁバチバチに反目し合って際限が無いので、何処かででもあいつのこういう所は認めているという落としどころも用意しておきましょう。バカだけど力だけは認めるとか、気に食わないが賢い作戦を考えてくるとか、何を考えているかよくわからないが、しかし成果はしっかりと上げるとかですね。これを世界征服とか物騒な目標では無くて日常の出来事に置き換えればギャグのベースは出来上がったようなものです。例えば運動会を目標にした場合、とにかく勝って優勝を目指す奴(脳筋)と、得点数が高くまたやりがいのある応援とダンスに力を入れたい奴(紅一点)と、障害物競走とかお昼の弁当とか、全く関係ない所でエンジョイしたい奴(異形)が言い争っているとかですね。

「とにかく全ての競技で1位を取って勝ちまくれば、我々の優勝は間違いない!(脳筋)」「はぁ? 全ての競技で1位なんて現実的じゃないし、全ての競技をまんべんなく練習する時間も無いわ。ここは一番得点の高い午後の応援&ダンスに力を入れるべきよ。ここさえ押さえれば他の競技で多少は負けようが大きく得点を稼ぐことが出来るわ(紅一点)」「はぁーお弁当は何が出てくるかなぁー(異形)」「ダンスなど生温い、そんなものに現を抜かす暇があれば、一つでも多くの競技で勝利できるよう努力すればよいという物!(脳筋)」「分かってないわねぇ、適材適所ってあるでしょう。どう頑張ったって他のクラスにうちより足が速いやつが居たら勝てないのよ。でも応援&ダンスは違うわ、これはこちらの練度とセンス次第で何処までも上を目指せる、足が遅かろうが力が無かろうが関係無く、勝利を勝ち取れるのよ? それを捨てるなんて愚の骨頂だわ!(紅一点)」「はー障害物競走にパン食い競争があるんだーどんなパンが出てくるんだろうー(異形)」「ええーいらちが明かん! おいお前も議論に加われ! 優勝を目指す為には一人でも多くが練習し勝利を目指すべきであろう!(脳筋)」「お前も応援&ダンスに賭けるべきと思うわよね? そうすれば我々の勝利は決まったも同然なんだもの!(紅一点)」「どうでもいいかなー、どうせ最後の勝負で勝ったチームの得点を倍にーってテコ入れが入るし(異形)」「……弁当は唐揚げが最高だな!(脳筋)」「……障害物競走のパンなら職員室前に欲しいパンのアンケートがあったわよ(紅一点)」

 さぁ皆さんも、仲の悪いチームで面白い事をやってみましょう!

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