現世と異界の狭間からこんにちわ。体の半分イマジナリー、貴方の心をインソムニア。本日も小説の深層心理にはまっていきましょう。
前回はキャラクター性からのギャグ描写に踏み込みましたが、価値観が違い言い争いに発展する関係性と言うのは、ギャグ描写以外でも使えるので是非とも覚えておきましょう。シリアスな展開ならば反発や反論程度で納め、ギャグなら全否定あるいは拒絶レベルで反応させると良い感じです。
勿論強烈な個性を持つキャラがどんどん状況を持っていくというギャグ描写もありますが、まぁまずそういったキャラを作れる人はギャグ描写に困らないと思うので今回は置いておきましょう。もう一つの手法と言うか、初心者がやりがちなギャグ描写の一つとして、設定の段階で笑いに走っているパターンですね。今なら異世界転生でチート○○とか、いきなり高レベル・高ステータスとかで初心者のステージや低レベルの相手を圧倒して驚かせる描写とかですね。しかしですね、これらの展開は完全に出オチなんですね。
一笑い取った後に急速に失速して面白くなくなってしまいます。設定で笑いを取るには、最初に一笑いを取る事よりも、そこから笑いを広げて行く設定を考えるべきですね。例えばですが、強さって言うのはだんだん強くなってより強い相手と戦うのが楽しさなわけですよ。それがいきなり最強とかって言うのはレベリングの手間(描写)は省けるかもしれませんが、力をつけて行くという楽しさを省いてしまいます。そして何回か戦えば主人公が強いのは十分に伝わるので、やる事が無くなってしまいます。古来からそういう主人公は力を封印したり、戦闘描写を少なくして弟子とか第二の弱い主人公を立たせたりして話を広げます。笑いの場合も同じですね。主人公が強いという事をちゃんとギャグ描写にしなければ成立しません。例えば主人公が最強の力で敵を倒したとしましょう。その余波で街が破壊され、敵を倒したのに主人公に多額の賠償金が発生したとします。持ち前の力で何とか頑張って働いて賠償金を返し終わります。また街に敵が現れました。強いのであっさりと倒しますがまた余波で街が! 借金が! こうなると主人公は敵を倒すのを嫌がり始めますよね。あるいは街への被害を最小限にするためにあえて自分の力をセーブしたり封印して戦ったり、あえてピンチを演出して敵を街から遠い所に誘導したり、撤去予定の廃墟とかを事前に街に教えてもらってそこで戦ったりと工夫をするわけです。そういった努力が面白さに繋がってきます。最強の主人公なのに、一撃で倒される雑魚敵相手にわざわざ苦戦したり頭を下げて場所の移動を提案したりと真逆の行動をする必要がある訳です。こういうのが構造で笑わせるギミックとなります。
世界観に追加された設定や要素に違和感や齟齬が生じた場合に、それを笑いに昇華できればギャグ描写となります。勿論そこから話を広げていく必要がありますが、世界観がしっかりと作れるのならば、その分笑いも作りやすくなります。
例として中世ヨーロッパの世界に魔法を追加してみましょう。各種魔法があれば生活も楽出来そうなですね。火おこしや水の確保は魔法で簡単に出来そうです。なのでむしろ魔法があるのに中世ヨーロッパ程度の文明しかないのかを考えます。まず火おこしですが火を燃やすには燃料が必要ですね。実際に竈などで火を使う場合でも着火よりも燃料の薪の供給の方が重要です。普通の人間が煮炊きに使う燃料分、約10~30分も魔力が持たないとなれば火の魔法が生活にあまり使えないという事になります。あるいは魔法の火で調理した場合食材が魔物化するとかクソ不味くなるなどのデメリットがあれば、誰も生活に使わないでしょう。地面の魔法で家形のゴーレムを作れば、家が日々文句を言ってきたり雨が降ると逃げ出したり。水の魔法は人によって水の質や純度が違い、場合によっては毒の水が出る場合もあり純粋の水魔法が希少だったら生活には怖くて使えませんね。風の魔法は一回に使用で強さの強弱や効果時間などが融通効かない為、突風が吹きっぱなしだったりで迷惑しかかからないとなれば誰も使わないでしょう。こうする事によって廃れ始めた各種魔法に主人公が有用な使い方を編み出し、魔法の威光を取り戻すそんな話が合っても面白そうですね。
皆さんも自分で作った世界観に、余分な不純物を垂らしてみて台無しにしてみてはいかがでしょうか。思いのほか面白い世界になるかもしれませんよ。
面白チェッカー提供します こちらは貴方の小説の面白さを図るためのチェッカーです。
コメント