現世と異界の狭間からこんにちは。体の半分イマジナリー、貴方の心をインソムニア。今も昔も文字とは人類が生んだ芸術の一つにして、時を超える財宝である。
本日も前回から引き続いてギャグ描写について考察していきましょう。ギャグ描写が大滑りしてしまっていると言われる事ってあると思います。その原因をばっさりと言ってしまえば、作者が面白いと思って挿入されるギャグがつまらないに尽きます。ギャグとは面白い事をただ言えばいいという訳ではございません。落語でも、話の大筋は真面目な話で構成されています。ならばどうして笑いが生れるのか? それは巧みにテーマをずらしているからです。主人公が強大な力を得て、その力を世界平和だったり復讐に使えばシリアスな描写となります。しかしその力でこすっからい儲け話に手を出したり、女にもてる為に全力を尽くしたり、日々だらける為に使えばギャグ描写となります。本人が至って真面目にその事に取り組むのが重要です。
ギャグ描写と言うからには不真面目と言う印象を持ちがちですが、むしろ真面目にボケた方が笑いにつなげやすいのです。ふざけた様子でジョークを言うキャラも居ますが、そういうのはむしろシリアスシーンでかっこよく描いでギャップを見せる演出と言えます。
主人公のテーマが一般的思考とずれている事によって、読者が予想する動きとは違う行動を主人公がしだすのでそれが笑いに繋がります。自身の欲望に忠実な主人公ならば、誰がどう見ても罠である事が明白な宝箱を迷わず開けて罠に掛かり、次に同じような宝箱があっても罠を警戒しつつ開けて罠に掛かり、さらに似たような宝箱があってもさんざん悩んだ末に色々と葛藤し、あれこれ苦悩しつつも開けて罠に掛かるという行動を取るわけです。女性にモテたいという主人公であれば、登場する全ての女性にアピールをし、ちょっとしたしぐさにすぐ惚れて、自身の損得を度外視して女性のために頑張ります。しかもそこで女性に全然持てないとすれば主人公の空回りが続き面白くなっていきます。因みに不特定多数へのアピールを一人の女性に絞ると純愛系のラブコメが出来上がるのでこれは結構おすすめです。
そしてわりと[なろう]系で増えているスローライフ系も、楽して生きたい系のダメ男主人公の系譜でもあります。まずテーマに楽して生きたいという項目を設定した以上、主人公を某猫型ロボットに世話されている眼鏡の少年も呆れるほどのダメ人間にしなければいけません。この設定で主人公が努力や根性を見せてしまうとテーマと矛盾してしまうので、ただひたすらに逃げて、不真面目でだらける主人公を描かなくてはならないので、物語を作る上では結構難しいテーマだったりします。昔では推理小説の主人公に多かった設定ですね。普段が全く頼りにならないだけに、物語の佳境で活躍したりすると物凄くかっこよく映るので人気が出ます。
皆さんも普段とは違うギャップを持つもう一つの人格を内に秘めておきましょう。
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