最近の人は、三時のおやつとか食べたりするんでしょうか。おやつにも色々あると思いますが、うちはお菓子等の豪華なおやつは少なかったと思います。大体は蒸したサツマイモだったり、茹でたトウモロコシだったり。炒めたもやしだった事もありました。
あまりお菓子の類は食べた思い出が無く、プリン等のきちんとした製菓は親戚のお土産くらいだったと思います。後は梅干しとか都コンブとかでした。
その日は、朝からワクワクが止まりませんでした。前日に親戚の方がお土産を持ってきた時は、そのお土産がおやつに出てくる可能性が高いのです。朝梱包されたお土産の箱を見た時から上の空でした。
学校から帰ってみると、母は買い物に出ている様で家はもぬけの殻でした。台所のゴミ箱を見てみると、今朝のお土産の包装が捨ててあるのを見つけました。ならば今日のおやつはこのお土産のお菓子確定です。湧きあがる感情を抑えながら、冷蔵庫を開けてみます。しかし特に変わった様子はありません。どうやらお土産はケーキやプリンやアイスの類ではないようです。そういえば、あの親戚のおじさんは和菓子が好きな人でした。ならばモナカとかカステラとかどら焼きかもしれない。そう思いながら戸棚を開けてみましたが、やはり特別なおやつは入っておりませんでした。
失意に飲まれながら、無気力にテーブルを見てみるとそこには母のメモが置いてありました。メモには「おやつは電子レンジの中」と書かれています。なんと流石うちの母です。ちゃんとおやつの場所をメモに残しておいてくれていたのです。灯台下暗し。お土産の事が気になり過ぎて、チラシ裏のメモ用紙が目に入らなかったようです。
うちではたまにコロッケや唐揚げなんかもおやつにカウントされるので、レンジで温める食品は電子レンジにあらかじめ入れられている場合があります。すぐに食材が痛まない時期に限られますが。
しかしレンジで温める類いのお菓子に思い当たる物がありません。フォンダンショコラやスコーンなんてハイカラな物が家に存在するはずがありません。たい焼きとかでしょうか?
意を決して電子レンジを開けてみると、そこには蒸しジャガイモ(塩味)が置いてありました。あとお土産の包装紙には、調味料セットと書かれていました。
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