香にも屁にもならない【かやぱん】   第二話『注文の多い料理店ごっこ』

Novel of forward

 

 皆さんは子供の頃、友達とどんな遊びをしていましたか?

 私の小さい頃は、まだゲーム機なんて一般的では無くて、家で遊ぶよりも外で遊ぶ事の方が多かったと思います。

 私はと言うと、よく友達とままごとなんかを嗜んで居たりしました。

「じゃぁカヤパンがお客さんね」

「わかったじゃお店入るね、カランカラン」

 学校では色んな子がいて、友達の中には家がお店をしている子もいます。あの子のおままごとはいつも客商売の設定だった気がします。

「お客様方、ここで髪をきちんとして、それから履物の泥を落としてください、あと入り口の消毒液で殺菌をお願いします」

「ご時世だからね」

 友達の言葉に従って、手を洗うそぶりをします。

「当店は注文の多い料理店ですから、どうかそこはご承知してください」

「あ、それ今日授業でやった奴だ」

 子供と言うのは単純でして、すぐにその日覚えた事を使おうとするものです。まぁしかしおままごとと言うのは、そういった色んなシチュエーションを楽しむのが醍醐味なのです。

 ほら目をつぶれば、真新しい西洋料理店の、妙に変な間取りの廊下の扉が目の前に現れます。

「帽子と外套と靴をお取りください、ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡、財布、その他金属類、ことに尖った物は、皆此処に置いてください」

 どれも身に付けてはいないけども。一応色々と外すしぐさをしながら私は友達の話に乗る事にします。

「なるほど料理に電気を使用する調理工程があると見た」

 そう言いながら、私は扉を開けて次の部屋へと入っていきます。

「壺の中のクリームを顔や手や足にすっかり塗ってください」

 これも授業で読んだ通りの展開です。私は目の前の壺のクリームを手に取って、体に付け始めます。

「あ、ちょっと付け過ぎ、出来れば控えめに、あんまり付け過ぎるとその、カロリーが……」

 もう食べる気満々なの漏れてます。クリームを控えめに付けて次の部屋へ行きます。

「瓶の中の香水をよく振りかけてください」「あ、ちょっと掛け過ぎ! 味付けが変わっちゃう!」

 ちょっと別の意味で注文が多い料理店です。

「体中に壺の中の塩をたくさんよく揉み込んでください」「あーでも塩分過多かなぁ、スープ水足して薄めようかなぁ」

 めっちゃ健康気使ってるやん。

「やっぱ今日はサラダとスモークチキンにしとこうかな」

「お前注文の多い料理店向いてない」

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