皆さんは子供の頃、友達とどんな遊びをしていましたか?
私の小さい頃は、まだゲーム機なんて一般的では無くて、家で遊ぶよりも外で遊ぶ事の方が多かったと思います。
私はと言うと、よく友達とままごとなんかを嗜んで居たりしました。
「じゃぁカヤパンがお客さんね」
「わかったじゃお店入るね、カランカラン」
学校では色んな子がいて、友達の中には家がお店をしている子もいます。あの子のおままごとはいつも客商売の設定だった気がします。
「お客様方、ここで髪をきちんとして、それから履物の泥を落としてください、あと入り口の消毒液で殺菌をお願いします」
「ご時世だからね」
友達の言葉に従って、手を洗うそぶりをします。
「当店は注文の多い料理店ですから、どうかそこはご承知してください」
「あ、それ今日授業でやった奴だ」
子供と言うのは単純でして、すぐにその日覚えた事を使おうとするものです。まぁしかしおままごとと言うのは、そういった色んなシチュエーションを楽しむのが醍醐味なのです。
ほら目をつぶれば、真新しい西洋料理店の、妙に変な間取りの廊下の扉が目の前に現れます。
「帽子と外套と靴をお取りください、ネクタイピン、カフスボタン、眼鏡、財布、その他金属類、ことに尖った物は、皆此処に置いてください」
どれも身に付けてはいないけども。一応色々と外すしぐさをしながら私は友達の話に乗る事にします。
「なるほど料理に電気を使用する調理工程があると見た」
そう言いながら、私は扉を開けて次の部屋へと入っていきます。
「壺の中のクリームを顔や手や足にすっかり塗ってください」
これも授業で読んだ通りの展開です。私は目の前の壺のクリームを手に取って、体に付け始めます。
「あ、ちょっと付け過ぎ、出来れば控えめに、あんまり付け過ぎるとその、カロリーが……」
もう食べる気満々なの漏れてます。クリームを控えめに付けて次の部屋へ行きます。
「瓶の中の香水をよく振りかけてください」「あ、ちょっと掛け過ぎ! 味付けが変わっちゃう!」
ちょっと別の意味で注文が多い料理店です。
「体中に壺の中の塩をたくさんよく揉み込んでください」「あーでも塩分過多かなぁ、スープ水足して薄めようかなぁ」
めっちゃ健康気使ってるやん。
「やっぱ今日はサラダとスモークチキンにしとこうかな」
「お前注文の多い料理店向いてない」
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