香にも屁にもならない【かやぱん】   第五話『松茸』

Novel of forward

 昔はどんな所でも、親が出かける時はよっぽどテレビとか遊びが熱中して居なければついて行っていました。自分の知らない場所に行けるのは未知なる冒険の様な気がして、それが近所のスーパーであろうとも。今にして思えばウロチョロしたり何か買ってもらおうと喚いたりと、迷惑だった気がします。

 あの時、親に連れて行ってもらったスーパーの棚に、旬の野菜に紛れて松茸が売っていたのを見ました。松茸と言うのは子供心に、周囲の人が高い高いと言っていたのでメロンの様な高級品何だろうなと言う認識がありました。しかしキャビアやフォアグラの様なお金持ちが食べるいつか成り上がったら食べるイメージはあまりなくて、やっぱり庶民的なスーパーでもたまに見かける不思議なものと言う印象です。この頃は、高いから美味いのか美味いから高いのか正直よくわかりませんでした。きのこ類はそこまで好物では無かったのもあります。

 しかし何でこんなに高いんだろうか? やはり希少なのか、栄養価が高いのか、管理が難しく量産出来ないのか。メロンなどの果物系は、栽培やおいしさを維持する為の管理が大変なので高いのはわかります。魚のフグが高いのも毒を持っている為に調理には専門の免許が必要というのは有名です。ウナギは未だに養殖が成功しておらず、安定した入手が困難な希少性から高級と言う認識です。

 しかし松茸がそれほど美味しくて人気ならば、代替品や人工栽培がもっと普及しても良い筈です。松茸の香りの粉末などはありますが、かと言って松茸の香りのドリンクやドレッシング、チョコやお酒は出ていません。あってポテトチップスのフレーバー程度です。

 きっと香りだけが良くて、本体はそんなに美味しくないのかもしれません。もしかして皆高いから群がっているだけで、おいしさはそんなに大したことないのかもしれません。

 そんな折に、スーパーの棚で松茸の香りのふりかけを見つけました。恐らく本物は高くて買ってはもらえないのでと、その時の私は親に頼んで松茸のふりかけを買ってもらいました。結果として、所詮は松茸風味のフリカケですので、マツタケ本体は入っておらず、そしてフリカケとはご飯を美味しく食べる為のものですので、マツタケの風味と言うよりもご飯が老い惜しかったという感想しか残っていません。

 別の機会に、簡易パックのマツタケご飯をねだった事もありました。やはりこれも米が美味しく、そこで私は気づいたのです。なるほどマツタケが美味しいのではなく、米が美味しく食べられるから人気なのだという事に。それなら高いのも納得できます。

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