香にも屁にもならない【かやぱん】   第四話『宿題』

Novel of forward

 初夏の夕涼みは、如何お過ごしでしょうか? 暑かった気温も少し落ち着いて、さて何をやるかと気持ちも沸き起こってくるものです。当時の私はそんな折に良く、学校で出された宿題を目の前に頭を抱えておりました。

 学習と言うのは、いつの世も復習と言うのが大事です。とはいえ私もあまり勉強が好きではなく、家に帰ってまで机に向かって勉強するような勤勉な子供ではありませんでした。そういった生徒に、机に向かう機会を与える為に宿題という物があるのかもしれません。授業内容の反復は学習において重要で、漫画だって読み返せば内容をよりしっかり覚えられます。

 何事も無い平時であれば基本的に宿題はやっておいた方がいいのです。こんな宿題はさっさと終わらせて、テレビを見たり漫画を読んだりしたいものです。

 でも台風などの災害や風邪などの、やむを得ない緊急事態があったらやらなくても良くなるのでしょう。そう思うと、なんでこうも面倒くさいんだろうと疑問に思います。ちょっと宿題を逃れられる方法を考えても良いかもしれません。

 眠かったとかゲームやりたかったからとか言う私情では駄目でしょう。病気や怪我などは実際に学校を休まなければ信憑性がありません。強盗に襲われた、家に車が突っ込んできたなどの事件はさすがに事実なら噂が広まるはずなので使えません。ここはあまり心配させない、悪意の無いそれでいて宿題どころではない事態を考えなければなりません。例えば行きたくない用事をやんわりと断る良い訳の様な、家の手伝いをスルー出来る程度の程よいアクシデントが。そして誰かを巻き込まず出来れば自己完結出来る物が好ましいです。

 妖怪や悪魔の所為にするのも悪くないでしょう。

 西洋では宿題とか持ち物を隠す妖精なんかが居るらしいです。物隠しをする妖精は結構多くて、大抵は暗闇に潜み変身能力があって姿が見えないのだという。しかしもしその妖精の姿を見てしまったら、激昂して襲い掛かってくると言います。

 何とも恐ろしい、そんな妖精に宿題を隠されてしまっては、勉強どころではないだろう。 しかしそんな人知の及ばない出来事に遭遇したとなれば、相応に恐怖に慄く演技をしなければ単なる言い訳として流されてしまう。

 しかし私は演技にあまり自身が無い。今度友人とお化け屋敷などに行って、友人の怖がる様子を観察して演技力の勉強をしなければ、宿題の言い訳もままならないでしょう。

 何事も現場で学ばなければ。そうか。やはり勉強とは、教室のあの空気、あの環境でこそ捗るのです。あの場所でこそやる気が起きるのです。

 なので宿題は明日学校でやろうと思います。忘れてなければ。

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