感動導線の解説続けます。
■協力・友情・信頼
誰かに信頼されるというのは、基本的に気持ちのいいものです。時に過剰な期待が重圧になる事もありますが。
心が折れそうになった時や落ちぶれた時でも、仲間から信頼されている事が分かると元気が出る物です。それが根拠がなかったとしても。
自分がどうしても無力で、何をやっても上手く行かなくて、茫然自失でやらかしちゃって自分が嫌で嫌でどうしようもない底辺の時でも、かつての友達がまだ今よりもっとバカで世間知らずで、だから無敵で何でもできそうだった昔の自分の事を覚えていて、きっとできるよお前ならと信頼してくれたりなんかしたら、俄然やる気が出るってものです。
自分に自信が無くても自分にやる気が無くても、誰かの信頼で外付けのやる気が満ちて行くのです。
お金や利害の関係性では測れない、友情と言うのも良いでしょう。どの様なデメリットや損失を負っても、助けてくれるというのは損得勘定でしか考えない人達には信じられない美しさがあります。
この様にピンチの時に駆け付けてくれる仲間は、やはり物語に花を添えてくれます。しかしその仲間とか友情を、作品外の設定で済ましてしまうと逆効果です。少なくとも作中で親密になったり仲間となるべきイベントをこなしたうえでの、協力が彩りとなるのです。
特に効果的なのは、先に述べた上げて落とす転落劇との併用ですね。
お金持ちで御付きの人以外にも、大勢の友人がいた主人公だが。ある日事業で失敗しお金持ちではなくなってしまった。その結果周りに居た人々も愛想を尽かしいなくなったが、最初から居た御付きだけはずっと傍に居て支えてくれた。
あるいは罪を背負い周囲から人が居なくなってしまったが、長年の友人だけはいつも通り接してくれたとかですね。絶望に転がるも、友人や仲間だけは立場や境遇では無く自分自身に信頼を寄せてくれているからこそ、変わらない関係で居てくれるわけです。
これを逆にすれば、主人公自身が変わってしまったり、道を踏み外した場合は離れてしまうという事でもあります。どんな逆境でも離れない仲間が、主人公が変わってしまった事で離れてしまう。ある意味で主人公がおちぶれていく系の展開でのターニングポイントになる事でしょう。
物語としては、金や契約などの利害関係に対しての友情や仲間という協力関係で対立するのが良いでしょう。勿論強固な仲間関係に、亀裂を入れて仲違いに発展していく様を描く作品もあります。
作品内で友情や信頼関係が変動する場合は、美少女ゲームによくある好感度的な要素を作者自身で数値化して管理しておくと良いでしょう。また愛情はまた別に管理するのがおすすめです。
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