[未来小説]異世界ファンタジーこそレベルデザインは必要な要素である 2

 現世と異界の狭間からこんにちは。今日も揺れ動く執筆界隈に深く深く潜り込んでいきましょう。

 前回に引き続き、異世界物に対するレベルデザインについて語っていきとうございます。

 今回は異世界物によくよく導入されているレベルについて考えていきましょう。レベルとは物凄く簡単に言えばその者がどれくらい強いかを示す数値となります。レベル1よりもレベル3の方が強いというのは数値で見れば一目瞭然です。しかし事ゲームにおいては、相性や戦略、戦い方や操作するプレイヤーの腕前によってレベルの低い状態でもレベルの高い相手を倒す所謂[ジャイアントキリング]が起こり得ます。それはあくまで数値とは絶対的なモノではなく目安でしかないという扱いである為であり、言うなればプレイヤーへの選択の余地であると言えます。腕前に自信のある人は無謀か勇敢かはさておいて自身より高いレベルに挑み、自身が無い者は適正レベルの場所を進むというプレイヤーの選択肢を与える事で、限られた中で追うレイヤーに自由度が高いと思わせる工夫となるわけです。なのでレベルを導入するゲームでは、比較的工夫次第で高いレベルの相手も倒せるように設計されています。あるいは倒せないような強い相手はその時点では遭遇出来ないように作るわけです。

 逆に言えば、そういった概念を輸入しているので異世界物におけるレベルという物はあまりあてに成らない数値とも言えます。例えば主人公がレベル10である時に、手のひらサイズの芋虫(レベル15)にはどうあがいても勝てないとなっては、ちょっと無理があります。どれだけ頑張って殴ったり踏み潰したりしても傷一つつかず、逆に敵の毒の棘で即死するような場面を読者は果たして望むでしょうか。望む人が居るかもしれませんが。

 要するに、レベルを導入するという事は、簡単な目安として利用するか、低レベルで高レベルの相手を知恵と努力と戦術でジャイアントキリングするくらいにしか使えないという事になります。まぁ見た目強そうなドラゴンがレベル1で物凄く弱いなんてことはほとんどないわけで、大抵は種族値的な元々のポテンシャルが考慮されたステータスを持っているので、本当にレベルを導入する意味合いって薄いんですよね。よくいきなりレベル99とか高い数値を示して強さを煽る事がありますが、比較対象が無いと驚きようがありません。元々レベルが高いとかって誇るのはライバルや悪役のやる事で、レベルなんて真の実力の証明には成らないって言う決め台詞の布石でしかないわけです。

 そもそもあまりあてに成らない数値で、物語の世界観を構築する事自体、世界観ががばがばになる要因となります。かといって、レベルを絶対的な数値としてしまうと自由度が少なくなり窮屈になってしまいます。村周辺の雑魚敵狩りをコツコツと繰り返す必要が出てしまい、またレベルを見た瞬間に勝敗が決してしまうので面白みもありません。

 よく周囲が使っているので、強さを単純化出来ると初心者は飛びつきがちですが、キャラクターにレベルを付与して、それを物語に上手く活かせる人は殆どおりません。レベルとはゲームの世界観とかオンラインゲーム的な要素を演出する為だけのオプション程度でしかないってことです。

 もしあなたの作品でレベル制を採用しようとしている場合は、本気で一本ゲームを製作するつもりでレベルデザインを構築する必要がある事を留意してください。そうでなければ所詮ただの飾りとなってしまいます。正直執筆するにあたって、レベル云々の話の説明するよりも、相手の容姿や様子、あるいは雰囲気で強さを表して、こいつは勝てない! って思わせる演出にした方が効果的だし書きやすいと思うんですけどね。レベルを採択する人たちは、他の人がやっているっていう理由以外にどういう思惑があってレベル制にしているのか聞いて(問い詰めて)みたい気がしますね。

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