思春期と大人の哀愁は範囲攻撃2

 現世と異界の狭間からこんにちは。今回も物語捜索についてあれやこれや語り合っていきましょう。

 さて前回はカッコ良くない主人公と言う事に触れましたが、それを掘り下げてみましょう。まずガワだけのカッコ良さを取っ払う事は、主人公のカッコ悪いという事ではありません。

 主人公足る者、カッコ良さは外見ではなく中身で見せつける物です。例えば世に良くいる名探偵。普段は頼りなく、何処か抜けていて、とても頼りないので、必ず名推理で事件を解決して見せる。そういった行動で魅せてこそ主人公なのです。

 それはさておいて、カッコ良くない主人公と言うのもわりかし人気があるのです。所謂等身大の主人公って奴ですね。例えば、若い主人公には時々ドジな行動や失敗などのカッコ悪い描写があったりしますね? これは実にカッコ悪い描写ですね、しかしこんな失敗は誰もが経験したであろう出来事でありますよね。つまりこうした描写は非常に共感を得られやすいという事です。共感を得られる主人公とはまさに身近に感じられる存在です。

 特に若い主人公には思春期な反応を付与すると良いでしょう。例えばここで、男女ペアの冒険者のやり取りを。

「はぁーやっと倒せたわね」「あの程度の魔物、俺一人でも十分だったね」「お互い怪我だらけで良く言うわ、っぷはぁー回復薬が染みるわねぇ、はい」「あ? 何で飲みかけを渡してくるんだよ」「ほら私三割くらいで全回復だから、残りはあんた飲んでいいよ」「や、お、俺は別の飲むから!」「はぁ?  あんたの怪我の度合いなら私の残りで足りるでしょ、二本も空けるなんてそんな勿体無い……ははーん、さては間接キス意識しちゃってる?」「はぁ!? な、バカな! んなわけあるかよ! 俺はこの回復薬の味が嫌いなだけだよ、無理に飲まなくたって平気だって話!」「あんたさっき新しいの空けようとしてたじゃん?」「あーまっずいなーこの回復薬、もっといい味でないかなー!」

 っとこんな甘酸っぱい一幕に、一部の方はにやにやしてしまう事でしょう。この様に若い読者は自分もしてしまいそうな反応に、大人はああそんな頃があったなーと思いにふけるのです。若い主人公は、思春期特有の甘酸っぱさを全開にして描く事で、多くの共感を得られる事でしょう。

 皆さんもぜひ思春期的な出来事をば書き記してみましょう。

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