現世と異界の狭間からこんにちは。体半分イマジナリー、貴方の心をインソムニア。本日も苦しく辛い執筆周りに関して語り合っていきましょう。
今回は小説における戦争描写について語っていきたいと思います。因みに当方は別に戦術家でも軍師でもなく、戦争に関して一般庶民程度の知識しかないので詳しい用語や知識の元に語っていくわけではございません。あくまで小説家的な視点としての語りですので、その辺の考察の甘さはお許しください。
ファンタジーや異世界物の節目と言うか締めに戦争描写を描く事は割と多くみられます。あるいは戦争中の世界にこんにちはという所も割と多くありますね。しかし物語と戦争描写は相性が良くありません。物語が主人公の視点を中心に回りを描くのが基本なのに対して、戦争は全体的な俯瞰の視点が流れの基本という違いがあります。さらに戦争において主人公中心の視野で描くと周囲の騒々しさのわりに戦況が分からずただ混乱するだけとなってしまいます。主人公が指揮官や総大将ならば俯瞰の視点で見えますが現場の喧騒は届かず臨場感に欠けてしまいます。上手いやり方としては、指揮官(トップよりは中間管理職当りが良い)と、前線の兵士のダブル主人公として描くと俯瞰の視点と現場の臨場感が描けておすすめです。ただし作者は、[現場の視点][現場の戦況の変化][俯瞰の視点][歴史的な戦況の動き]を一つの物語で構想しなければならないので相当負荷がかかります。しかししっかりと描き切れば戦争物の醍醐味が味わえるでしょう。
さて、初心者の描く戦争パートは上記の相性の悪さも相まって大概面白くありません。中世前や中世半ば頃の文化基準ならば、最強の主人公が一騎当千したり、革新的な武器や兵器で一方的に蹂躙、交渉により辺境の戦闘民族が助太刀に! っという展開で戦況がひっくり返す事が可能でしょう。そもそも武器が剣や槍や弓、兵器も騎馬戦車くらいまでの数と製鉄技術が最強武力までの時代は城塞都市の攻防戦くらいが最大戦況なので、戦術や奇策次第でいくらでも状況は変わります。特に中世以前の戦争は互いの兵隊が農民なので収穫時期などは戦争が休戦するしか無くて、ずるずると長期的に戦争している事もあったりします。しかし戦況の規模の大きい近代付近の戦争や世界大戦レベルともなると、一つの戦況を覆した所でトータル的な戦況に影響は無かったりします。主人公一人がいくら強かろうとも、戦争には勝てないという状況になったりするので、そういう所が戦争物の面白さでもあり、素人が描けない戦争でもあります。
まず戦争にもいくつかの種類があります。詳しく話すと長くなるので掻い摘んで説明すれば、その戦争の目的は何かっていう事です。
□内戦
国家領内で分裂した派閥同紙による戦闘行為。紛争とも呼ばれる。原因としては王位継承問題や、貴族の氾濫、あるいは利権による対立、民族・宗教問題など多岐にわたる。長く続くと難民などが国外に流出し、国力が低下して国家衰退の原因ともなります。
目的:相手勢力の降伏、および殲滅
解決方法:基本的にどちらかが相手を降伏させる、あるいは国外に追いやる以外には殲滅以外に決着はつかない場合が多いでしょう。他の国家や第三勢力が仲裁に入り、停戦の調停を行う事もありますが、その後も遺恨が残ったりテロなどに発展するため根本的な解決が難しい場合がほとんどです。
敵対国家を内戦状態にさせて攻め込みやすくするという戦い方もあります。戦争って汚い。
原因や要因が多岐にわたる他、規模が自国領内という事もあり比較的描きやすい戦争形態でも在ります。また状況や展開によっては平和的な決着が出来なくはないという所でも希望があります。
□侵略戦争
領土拡張の為、国力増強の為、資源の為、食料の為に一番手っ取り早い方法とは相手の持っているモノを奪う事である。占領した相手国を奴隷とせず、国民として加えると帝国となります。
目的:相手の持っているモノを奪う。
解決方法:攻めて来た側が何処まで奪うかによって、解決策は徹底抗戦か降伏して領土割譲とかあるいは交渉で解決するまであります。国力増強の為に進軍してくる敵はこちらを勝てる相手と見こして襲ってくるためにかなり強敵です。あるいは不作によってやむなく攻めてくる場合もありますが、こちらの場合、相手は奪わなければ死ぬという状況である為に侮りがたい粘り強さを見せる事もあります。
□防衛戦争
攻めてくる相手を撃ち返す。相手が諦めるまで続く長き防衛線。上記の侵略戦争の攻められている側の視点ですね。攻められている側からすれば平和に暮らしているだけなのにと理不尽に思うかもしれませんが、相手の要求を飲むにも限度があります。
目的:攻めてくる相手が諦め、平和を勝ち取る。
解決方法:交渉し相手の要望を通せれば一時的には凌げるかもしれません。しかし大抵は相手の要求をのめない、あるいは一度は飲んだが度重なる要求に対応できなくなる場合がほとんどです。相手が切羽詰まって居れば、防衛している間に相手が滅びる事もありますが、戦争中の混乱に乗じて第三勢力が新たなる侵略者として襲ってくる場合もあり油断はできません。異世界や宇宙から敵勢力が地球侵略来た場合は防衛戦争となり、地球の皆争っている場合じゃねぇぞとななります。
□宗教戦争
宗教上の対立や思想の違いによっておこる戦争を宗教戦争と呼びます。実際に神様がいる世界だとより過激になる場合もありますが、基本的に国教や宗教が権力を持ち過ぎた場合に起こる悲劇であります。世の多くの宗教が人を幸せにする為に、そして戦争を協議で推奨しているわけではないというのに、人は愚かな者です。
目的:宗教問題の解決
解決方法:実際に神様が居たら、調停してくれたり間違っている相手に天罰を与えてくれるかもしれませんが、大抵は神様が居ない世界で良く起こります。別宗派として相手を認められれば戦争などは起こらないのでしょうが、向こうの信仰とは自身が神の教えを忠実に守る事で、幸せになり神の存在をこの世に証明するみたいな考えがあるらしいので、自分とは違う教えの神とか認められないのでしょう。
□覇権戦争
最強の国家がもし生まれてしまったら、それ以外の国家は支配されてしまうかもしれない。だから強い国家は皆でボコっておとなしくさせようぜって言う考えから発展する戦争です。攻められている国家としてはたまったものではありませんね。
目的:そもそも戦争を仕掛けて国力を削ぎ、衰退させることが目的ですので攻められている時点で相手の目的は達成できている場合もあります。また派遣国家がその世界のルールメイカーとなるので、多数の国家が賛同して攻め込んできたりします。今世界の共通言語が英語であり、ドルが基軸通貨なのは過去にイギリス、そして現在アメリカが覇権国家だったからです。
解決方法:敵対勢力を攻め滅ぼし、降伏させ見事その世界の覇権国家となれば、平和も巨万の富も、そして世界のルールも意のままに出来ます。あるいは度重なる戦争により国力が疲弊したと思われれば、侵略は止まるかもしれません。しかしそれは次なる戦いに向けて国力を蓄える為の偽装でしかないのかもしれません。争いは終わらないのです。
それでは次回、もっと踏み込んで戦争と言うパッケージについて考えていきましょう。
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