現世と異界の狭間からこんにちは。体の半分イマジナリー、貴方の心をインソムニア。本日も文章と文章の狭間に垣間見える世界の心理を探求していきましょう。
小さな国は内政は安定すれど、国力や外交に限りがある。かといって国を大きくすると内政が不安定になる。ならばどうすればいいのか、対処法はいくつかあります。例えば政治形態を変える、法律の決定や罪の処罰を議会や裁判等に委ねる、つまり国の運営の一部を優秀な市民に任せます。
あるいは商業、農業、工業、観光などのどれかに国家の国力を全振りして交易で食べて行くというやり方も有効です。国王、貴族、国民全員が一つの目標に向かうので協力体制や仲間意識が作りやすく、もし違う意見が出たとしても大きく路線は変わらない為に大きな反乱にはなりにくいでしょう。ただし他国ありきの国家体制なので、鎖国や経済圧力、自然災害や戦争などの不測の事態には脆弱です。
そして強力にして悪魔的とも言えるのが、宗教を利用するというやり方です。その周辺で人気の宗教を、あるいは自国で新しい宗教を国教として取り込みます。そして国の方針や政治をその宗教に沿った物にする、あるいは教会を建てその宗教を大事にしている事をアピールします。後は市民の不満や不穏分子の処理は教会に任せましょう。下手すれば何の特産が無くても信者が集まって国が発展し、寄付金で豊かになってくれたりします。そしてその宗教が国外に広まるほどに信者が国民のように動いてくれ、外貨が集まったり旅人が訪れたり、何か知らない間に観光名所や建築物や芸術が増えたりします。あくまで宗教に寛容と言う態度なだけで、国王や貴族が宗教の敬謙な信者である必要は必ずしもありませんが、国の方針や貴族たちの振る舞いが教義とあまりにかけ離れていると宗教の信憑性が薄れてしまいます。国内がアミューズメントパークやカジノホテルのように煌びやかなのに、掲げている宗教が赤貧を良しとして勤勉に働こうとか誰が信じるんだって話ですね。
ただし宗教は、取り扱いを間違えば差別や弾圧や戦争を容易く招きます。特に隣国が違う宗教を掲げていた場合は貿易も難しくなり、仲良くする利点は多い筈なのに掲げた宗教が違うばかりに何百年も仲違いし続ける事にもなりかねません。そして一度掲げた国教は容易く変更できません。下手に変えようとすれば国が割れて内紛に発展します。また国境を定めても国民が勝手に別の宗教を信仰し始める事もあります。国に悪影響がある場合は速やかに弾圧する必要もあるでしょう。
史実の例として、日本の〇リスト教弾圧があります。〇リスト教自体は決して悪い宗教という訳ではありませんが、ある程度国教として信じ続けられていくと内容が為政者に都合のいい内容に曲げられている事がままあります。この場合も〇リスト教は政治の道具になっており、当時の西欧諸国は最初に宣教師を派遣し、次に商人を送って最後に軍隊を送り植民地化するという手法を行っていた。さらに当時の〇リスト教は異教徒は奴隷にしても良いという教えであり、日本人も多くが奴隷として国外に輸出されていた。まぁ所詮「汝の隣人を愛せよ(ただし異教徒は人ではない)」という程度の教えだったという話だが。
また宗教が根付けば、神話が生まれ王家の統治にも説得力が生まれます。だから多くの国王は神の末裔だったり現人神だったりするわけです。しかし宗教国家は国の様式や内情が一辺倒になりがちで、国の特色も史実に準じやすいので多用するのは手抜きに見られがちです。それこそファンタジー世界ならばこそ、実際に神々が居る世界でしか出来ないような宗教の信じ方と、神が実在する世界の宗教国を作り出してみるべきでしょう。
まぁ物語の舞台として使う程度であれば、宗教の違う二国間の対立で教義の違いによる国の様式の違うを見せたり、多数の国家の中の一つとして宗教国を出すなどで十分かと。詳しくすればするほど面白くなりますが切りが無いのでほどほどに。
皆さんも独自の宗教を作り出して最強の宗教国家を作り出しましょう。
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