現世と異界の狭間からこんにちは。体の半分イマジナリー、貴方の心をインソムニア。風と雨と光と水が世界を襲う、今こそ伝説の筆で救世の一筆を!
本日はヘンゼルとグレーテルのストーリーラインを読み込んでいきましょう。
□起:貧しい家に生まれた二人は、母親に森に捨てられそうになります。その話を聞いていた二人は夜になると光る石を拾い集めます。
□承:光る石を頼りに夜道を無事帰る二人ですが、日中家に閉じ込められて石を拾いに行かせてもらえず、結局は森の奥に捨てられてしまいます。
□転:二人は森の奥で、お菓子の家を見つけます。お菓子の家には魔女が住んでおり、二人は魔女に捕らわれてしまいます。
□結:魔女に食べられそうになる二人ですが、隙をついて魔女をかまどに閉じ込め倒すことが出来ました。なんと魔女の正体は母親で、魔女の宝を持ち帰り二人は家に帰るのでした。
色々と内容が改定されるこの話ですが、おおよその流れはこんな感じ。森に捨てられる、お菓子の家、魔女を倒すと母親(もしくは継母)が居なくなり元の家に帰るという所は大体共通しています。
さて、まず時代背景としては恐らくヨーロッパの暗黒時代、村が森に閉ざされ文明が衰退していった時期と考えられます。そこでは食糧難で子供を棄てる事もままあったと思われます。当時かまどを持っていたのはパン屋等で、焼き菓子などのお菓子はかまどが必須なのでそこからお菓子などの匂いのする家=お菓子の家となった感じがします。また昔は子供の生存率が低い事から、魔女が子供を攫って食っているという話も各地で散見されます。お菓子の家こそヨーロッパ独自の展開ですが、日本でも山姥と言う山奥で道に迷った旅人を家に泊めてもてなし、夜には食うと言った話が見受けられる所から何か共通する要素があるやもしれません。姥捨ての風習がある所では、捨てられた老人が妖怪となって襲ってくるんじゃないかと言う恐れがあったので、そこから派生したとも考えられます。
また三枚のお札の様に、魔女や鬼婆に襲われた子供たちが知恵で立ち向かうという項目も共通していると読み解けます。この事からも世界共通で語られる伝承的な側面がある訳です。
忌むべき風習とそこに住まう怪奇な存在、そしてそこに踏み入れた子供たちが、知恵と度胸でそれを突破し、その結果として報酬や帰還が出来て幸せになるという流れがストーリーラインと言えます。これらは現代風にしても通用しそうですね。廃村や樹海等に迷い込んだ若者が、そこに巣くう怪異に出くわして、その時持ち合わせた現代機器を駆使して怪異を倒すか脱出に成功する……探したらハリウッドとかの映画でありそうですね。
皆さんも身の回りのもので、怪異を倒せそうなものを考えてみましょう。
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