現世と異界の狭間からこんにちは。体の半分イマジナリー、貴方の心をインソムニア。本日も嵐の過ぎ去った夜こそ、暴風の如く執筆に専念いたしましょう。
さて今回も物語のプロットを分解しつつ、ストーリーラインを読み解いていきましょう。
□起:畑を荒らす狸はおじいさんに捕まってしまいます。しかしおばあさんを騙して縄を解かせた狸は、おばあさんを殺して、おばあさんに化けた後おばあさんで汁を作っておじいさんに食わせます。
□承:その後、嘆くおじいさんの元に白うさぎが現れて、狸に復讐を誓います。
□転:狸に薪を背負わせて、向こうの山まで向かう途中で、カチカチと背後から火を付けます。狸にはここはカチカチ山だよと嘘をついて大やけどを負わせます。
□結:ウサギは狸を海に誘うと、自分は木の船に乗り、狸を泥の船に載せます。やがて沈んでいく狸におばあさんの仇だと告げます。
まさに復讐劇の古典、「カチカチ山」ですね。
[巌窟王]に次ぐ復讐劇の開祖と言っても過言ではないでしょう。そのストーリーラインは単純明快。まずは冒頭に悪人の残虐非道な行いを描く。その後、復讐者が仲間の振りして潜り込み、じわじわと指先から切り取る様に苦しめて行き、最後はその死を持って復讐を完了とする。復讐は良くないとか争いは何も生まないとか生温い事は一切なく、冒頭に悪行を映して悪人に一切の慈悲など要らないと復讐を遂げてスッキリさせる。これこそが醍醐味ですね。
あるいは、復讐者が最初は敵で後に主人公側の組織の悪行が明らかとなり、復讐者が正義と言う展開も見受けられます。が、何より主人公が復讐者である方が話の方向性やカタルシスが大きいので読者の満足度が大きいです。
推理物でも、犯人の告白で殺された人々の悪行が明らかになり犯人の復讐に正当性が生まれる展開もあります。そういう意味では復讐物と推理物は表裏一体な側面があると言えます。復讐劇も、トリックや人心掌握など様々な技術が必要ですし。単に憎いやつを夜道に後ろから殴るのは復讐劇とは言えないわけです。
さぁ皆さんも、絶対に自分に足のつかない復讐方法を考えて復讐劇の幕を上げてみましょう。
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