冒険者雑学3

 色々とリアルな冒険者増に迫っていくこの雑学投稿。ある程度ネタが溜まったら、この設定で小説でも書こうかなとか思っています。皆さんからの質問も受け付けておりますので。

 さて、今回は異世界物でやたらと出てきて幅を利かせている謎の組織、冒険者ギルドについて考察していこうかと思います。

 ではまず、ギルドとは何ぞや? という事で。

[ギルド/組合]とは中世ヨーロッパで発足された、商業者や工業社によってつくられた組織の事です。

 例えば商人は、交易等で各地を回り様々な商品を取り扱う関係上、商人同士で協力した方が利益につながるわけです。例えば同じ商品を取り扱う商人が同じ町で商売をすると、客の取り合いが起きてしまいます。また今から商品を売りに行こうとしている町ですでに他の商人が同じ商品を売った後という事も起こりかねます。これらの事態を避ける為に、商人同士で協力し合って他の人が取り扱わない商品を仕入れる、同じ商品を取り扱うにしても先に売った商人がまだまだ需要はあるから売れる、あるいはもう売り切ってしまったので他の町に行った方が良いと情報を貰う事が出来ます。この様に商人同士でネットワークを構築する事が出来れば、互いの利益を相乗効果で上げることが出来るわけです。また組合に属さず、他の商人を騙したりあくどい手法で商品を売る、はぐれ商人を全員で排除する事も出来るわけです。

 工業ギルドも、協力し合う事で素材の入手を安定させたり、仕事を皆で分業したり、品質を保つ事が出来るわけです。例えばギルド公認のマークなんかを武器に彫り込めば、安心安全の高品質武器と言う箔が付くわけです。

 意外な所で、中世初期のころは竈が一般的に無く、火を使わない料理か日持ちする食べ物、そして屋台や飲食店で食事を取っていたとされます。そして竈を所持するパン屋が町では結構権力を持っていて、パン屋ギルドが発足していたようです。勿論ギルドに所属しないはぐれパン屋を襲撃したりと言ったギャングじみた有様もあったとか。

 おっと話がそれてしまいましたね。

 それでは冒険者ギルドとは、冒険者と名前が付く以上冒険者の集まった集団組織という事になります。単に冒険者が集まっただけだと大規模なパーティーと変わりがありません。そこで必要となるのが、わざわざ組織を作ってまでする必要のある事は何か? という事です。組織を作る以上そこに利点や利益が無ければなりません。

 そこで考えられるのが、[冒険者の生活支援相互扶助組織]という要素です。例えば負傷して廃業を余儀なくされた冒険者や、引退した高齢の冒険者、一時期は活躍したが家庭を持った事で安定した暮らしに切り替えたい中堅冒険者等々、人はいつまでも第一線で輝き続ける事は出来ません。そういった人のための組織と言うのは悪くない気がします。元ベテランの方々にはその豊富な知識や経験を、後人に伝える事で冒険の危険を減らし冒険者の質の向上にも繋がります。一線を退いたとはいえ、年齢的にも働ける中堅ならば、一線で戦う冒険者のサポートを。過程をもって安定した暮らしを望むのならば、冒険者の輸送や、冒険に必要なアイテムの調達、あるいはギルドの内勤等の裏方仕事を任せるのです。

 そうすれば一級の冒険者になれなくても仕事は無くならないし、現役の冒険者にも万全のサポートを行うことが出来ます。また職員が全員冒険者ならば、冒険者に起こりうる危険を事前に予想できるので、対策や問題が起きた時の対処も迅速に行えます。現場の冒険者が必要な物も分かるのでサポートも自然と必要な物がそろう事でしょう。

 つまり[冒険者ギルド]とは一線を退いたり、上位に上がれなかった冒険者の第二の人生として、後輩や現役の冒険者の補佐と言う活躍の場を与える相互扶助組織という事になります。これならばギルドが多少依頼から中間マージンを多くとっても冒険者は文句を言えませし、いずれは自分もその恩恵を受ける事になるわけですから協力的にもなってくれることでしょう。

 冒険者も怪我や負傷をしても、ギルドが第二の生活を支援してくれると思えばこそ、危険な任務にも挑めるという物です。皆さんもギルドの内勤目指して日々冒険を頑張っていきましょう!

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